ヤルしかない!

 人生にしまった!と思うときがある。
そう思ってもたいてい引き返すわけにもいかず、目の前はまっ暗やみ。いつも「ヤルしかない!」と自分を叱咤激励し前進するのだけれど、しているときってわけがわかんない状態。

その1 
 山に行って朝から雨だといやんなる。しまった、こんなことなら家で本を読んでいれば良かった、と思う。冬山ならなおさらで、吹雪のなかをうろうろしているなんて、なんてバカなことをしてるんだろう、とわけがわかんなくなる。そして、あったか〜い部屋を想像してげんなりする。
 しかし、雨が降ろうが雪が降ろうが「来ちゃったんだから行くしかない!」と頑張って、登って降りるのだ。そして、温泉に浸かりながら「やっぱり、来てよかったじゃん」とけろりと忘れてしまう。

その2
 数年前に社会人入学した大学で英文科を選択した。
いつも一人旅をしていて、かねがね英語をなんとかせねば、と思っていたのだ。  
 しかし、現役の学生とは英語のレベルが天と地ほど違っていた。
案の定、しまった!と思ったがすでにおそし。社会人学生には学部の変更は認められていなかった。
 またもや、「ヤルしかない!」と中学生並みの英語力で卒論を書くはめになった。パソコンに向いスペルと格闘しているうちに目の前に黒い星が現れ、そのうちハレーションを起こして眩しくて外を歩けなくなった。
 眼科に行ったら「老化現象です」とあっさり診断され、しょぼん!
大学の友人が「マックのパソコンは印字がきれいだよ」と言うのでふらふらっとマックショップに行ったが最後、大枚をはたいてパソコンをマックに替えるはめになった。
 なんとか卒論は仕上がったが、ものすご〜く高い論文代となった。