タイの歴史的大洪水

 タイの集中豪雨は半端じゃない。雨は壁となって空から滝のように流れ、辺りは白く煙る。ダムは瞬時に溢れるだろう、と想像がつく。
 毎夜、朝方まで集中豪雨が続き、今年は昼間も雨に閉ざされた。なんともダイナミックな雨と感激していたら、その結果がこの洪水だ。10月はネパールと日本に滞在していて、帰るころは落ち着いているわよ、とのんきにしていたらだんだんひどくなるばかり。
 ようようタイに戻り、バンコクのモーチットから、川になった道路をバイクタクシーに乗り、夜行バスで学校のあるカラシーン県に辿り着いた。
 今日、買い出しにチェーン店のロータスに行くと品物は何も無い。あれ?ここは洪水とは無縁なはずだが、と思いセブンにいくと品物は普通道りにそろっていて、やれやれ。チエーン店の商品はすべて被災地優先ということだろうか?

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 9月下旬から10月上旬にかけて、南シナ海から台風3個が次々にベトナムに上陸し、タイ北部、中部に大雨をもたらした。この雨でチェンマイなどタイ北部に洪水が起こり、9年振りに満水となったタイ最大の北部のダムが大量の放水を始めた。
 北部から流れ出た膨大な水はチャオプラヤ川流域の、ナコンサワン県、アントン県などをのみ込み工業団地が集中するアユタヤ県に到達した。10月4日には味の素、他50社が集中するサハラタナコン工業団地、次いで、ホンダなど200社があるワジャナ工業団地、HOYA,キャノンなど約140社があるバンワー工業団地、パンパイン工業団地、ファクトリーランド・ワシノイ工業団地と次々に浸水した。
 11月7日現在では、バンコク東部の工業団地に達したもよう。タイ政府は治水にやっきになっているが目処はたっていない。