ヒマラヤ「運命の山」

 『限界状況というものは、ぼくの人生にとっていちばんだいじなものではない。限界状況はただぼくの眼を一つの別の現実に開いてくれたのだ。・・中略・・特定の魔術的な力をもつ薬草のように、山登りもまた一種の薬草であり、ぼくの薬草なのである』——「ナンガ・バルバート単独行」山と渓谷社


 1970年、イタリアの登山家、ラインホスト・メスナーがナンガ・バルバートに弟のギュンダーとともに登頂に成功した。しかし、弟は雪崩に巻き込まれ、本人は生還したもののメディアに叩かれ裁判沙汰になる。
 映画は、原作「裸の山 ナンガ・バルバート」を映画化したもの。しかし、他の映像と違うのは、メスナー自身が撮影に加わっていること。装備も当時のものを再現し、画面に映し出される山魂の大きさに圧倒される。ヘリで撮影したそうで迫力満点の映像に仕上がっている。
 ネパールのアンナプルナBCのトレッキングへ行きタイに戻る合間に、白い山の映像を試写会で見ることが出来たタイミングの良さ。素人のわたしがメスナーに憧れ、世界の頂点に立てたことと合わせて、これからの人生もどうなるか分からんもんだと思う。

11月下旬上映
シアターキノ」札幌市狸小路6丁目 南3条グランドビル2F 
TEL 011-231-9355 http://theaterkino.net/