それぞれの選択

 フィリピン教師のリサがバンコクの大学からオファーがあり、後期は大学に移動することになった。
サラリーも上がるし、良い選択だと思う。彼女は国に3人の子供がいて、下の2人はまだ高校生なのでこれからお金がかかる。
 子供のために長いこと外国暮らしで、コミニュケーションはインターネットのスカイプだという。子供を独り立ちさせるためには、時間とお金がかかる。夫は別居しているそうで、彼女が一家の大黒柱だ。母親は強いな、と感心している。

 インも来年はバンコクの大学院に行きたいと言っていたが、今日は国に帰ることにしたと言う。タイは小さい国だし、中国は広くこれからも経済成長する可能性が大きいと思うので、タイ語から英語の勉強に切り替えたそう。中国の会社で働くのなら英語は必要不可欠だと言う。将来リタイアしたら、アナのようにタイで働くのが良いかも知れないと言っていた。

 わたしも同じく、毎夜悩んでいる。
日本に帰るべきか否か。タイにいると日本の規律正しい美しさが懐かしくなる。日本の伝統文化や残されている古い建造物も尋ねてみたい。けれども、この仕事も捨てがたい。わたしのような新米教師を慕ってくれる生徒に申し訳ない気がするのだ。
はて、どうしたものか。