人生の先輩たち

 アラ環に突入してからタイで日本語教師を始め、これで人生の終了編をと思いきや、なにやらアクシデント続きで惑いの60代となってしまった。
週末、コンケーンで仕事中のノビタ先生を再訪、彼の友人に紹介された。指紋の研究をしている先生やメデカルドクターなど、彼の周りはユニークな人が多い。
 その一人、ノビタ先生の下宿先のランパンーさんは78歳で英語と日本語を勉強している。日本語で夕食のおもてなしされて大変驚いた。何かにトライしている人はいくつになっても頭が柔らかい。
 子連れバックパッカー上がりのノビタ先生も柔軟な方で、タイ人の仲間にするりと入っていく特技を持ち合わせている。ランパーさんとも朝の公園で知り合い、彼女は親族同伴で札幌まで遊びに来たのだと言う。
 そして、派遣元NPO<ヤイ夢>の相談役である坂口氏。彼はタイの東北部の子供たちの笑顔に魅かれ、教職を退職した後に幼稚園を建設、また日本語教師として10年のキャリアを持つ大先輩だ。惑うわたしにたいして、坂口氏曰く、
『老後が楽しいというのは、多くの人と会う機会を多く持つことではないかと考えるようになりました。
 自己啓発は何歳からでも出来るはずです。方向は見え難く限界は勿論誰にも分かるはずはありません。だから、『きょうも…やってみるかな…』そんな気持ちを持続し、無理なく体を動かしながら、より多くの人と出会える機会を探していこうと思っています。』
という文章を頂いた。よけいな力が入っていず、なかなか味わいがあり素敵な考え方だと思った。
 最近70代、80代の人に視線がいく。ひととおり人生の修羅場を通り過ごしたその柔らかなまなざしに魅かれる。