アラスカ便り

 アラスカのジョンから便りが届いた。
懐かしい残雪の山々に、目の前の空気がつんと冷たくなったような気がした。その土地を訪れると、写真を見ただけでその土地の空気や空の色やブルーの暮れる夕闇などが甦る。
 定位置に留まるとどうしても旅が恋しくなる。移動していると日本の小さいけど居心地の部屋が思い出され、なんでこんなことをしているんだろう、と思う。他のみんなちゃんと日本で暮らしているのに、どうして、わたしは落ち着いていられないのだろうと思うこともしばしば。そして、いつもちぐはぐな心を抱えて、えいっと飛び出す。