In Sapporo

 到着したら、札幌は雨。
南国の白い雨とは違って、街が灰色に暮れてバスの窓ガラスの銀色の水滴が寒々しい。太陽で火照った脳みそをクールダウンするには丁度いいかも。
 千歳に向う飛行機の中で年輩のご夫婦に英語で話しかけられた。通路側に座っていたら窓側の席と替えてほしいという。かまわいないですよ、と席を交換し、英語で話していたがどう見ても日本人に見える。日本人ですか?と訊くと、そうです、と言う。すいません、わたしも日本人ですよ、と笑ってしまった。
彼らは、わたしがあまりにも色が黒いので日本人とは思わなかったそうだ。タイにいても、タイ人と間違われて道を訊かれました、と言うと笑っていた。なんだか、ますますコスモポリタン的な人種になっていくような気がしないでもない。
 海外にいると、それだけでストレスがあるのに、今回は戻った早々、給料の問題ですったもんだしたあげく、ルームメイトの問題、壊れたシャワーも直してくれず、朝夕シャワーを浴びるたびに、「もうぉ!いつ来てくれるんだい」といらいらしていた。そのうち、また歯茎が腫れてきて「えっ、これって免疫力低下しているってこと?」と健康にも自信がなくなり、妙に弱気になってしまう。
 日本に帰ったら、寿司を食べよう!ワインも飲もう!やっぱり、最初はなっとうご飯かな?といそいそとパッキングしているいうちに歯茎の腫れはスーと引いた。げんきんなものだ。これで、楽しみにしている道新のフリーベーパー「オントナ」ブロガーの顔合わせ会のカニ会食も心配なくばっちり食べられる。やれやれだ。