好奇心

 春にフェルナンドに会いに行ったとき、彼の両親の家に招かれた。この日、フェルナンドとカミラは友人の結婚式があり、わたしは子供たちと彼のお姉さんの車で出かけた。
 80代で高齢のお二人はとても元気ではつらつとしている。お父さんはスポーツ好きで体を鍛えるのが趣味。老人会の集まりでは、みんな年寄りで誰も俺についてこないからつまらない、と言っているそうな。主治医に「あなたは年寄りなんだから、ほどほどにしなさい」と注意されも聞き入れないで、とうとう心臓発作を起こしてしまったそうだ。それからは自粛し、今はウオーキングとパソコンの趣味に替えたのだそう。80代からパソコンを始めるのもすごいと思う。
 お母さんはお母さんでボランテア活動に精を出し、病院の食事の介護では60代の女性にご飯を食べさせているとか。みんなは「母は84歳だよ」と笑っている。
 とにかく好奇心旺盛なお二人で、「エベレストは、どうだった?」「どれくらい寒いの?」と矢継ぎ早に質問してくるので、フェルナンドのお姉さんは通訳するのが大変だ。お二人とも目がきらきらと輝いている。この好奇心はいったいどこからくるのだろう。自分が老人だとは思ってもいないところかなぁ。
 お二人は、毎週土曜日の昼食会に6人の子供と孫たちに会うのを楽しみにしている。前回、子供だった孫たちは素敵なお嬢さんに成長していて、私が折り紙を教えたのをおぼえていてくれて嬉しかった。
 そうそう、フェルナンドにどうして日本に興味をもったの?と尋ねたら、お父さんが大の日本びいきで、彼の影響だそうだ。