代理授業

 月曜の朝は午前中の授業がないので、いつも1週間の授業のコピーその他の準備で忙しくしている。すると、ゴティ先生から電話が入った。いきなり、こうだ。
「きょう、わたしは学校にいませんよ。外でミーティングあるから。わたしのクラスをたのみます」とのこと。またかよ!なんで、決まってる会議なら事前に言わないのよ。むっときて「なにをするんですか?」と聞くと、「なんでもいいです、一年生ですから」一年生が肝心なのに、まったくしょうもない。
 急遽、昨年のプリントを探して、授業プランを練る。一年生に会うのは、初めてなので自己紹介を取りいれて、ひとりひとり自己紹介をしてもらおう。まだ五十音を始めたばかりだろうと推測して、どの程度読めるかゲームでチェックする。
 みんなが知っているドラえもんを描いて、ドラえもんの自己紹介、わたしの自己紹介を繰り返してから生徒に自己紹介させたら、みんな自分のことをちゃんと言えましたね。すごいね〜!とほめごろし。
 話せる日本語をめざしているので、最初から会話させるように仕向けている。廊下で会ってもトイレの前で会っても、日本語で話しかける。すると日本語で返って来る。昨年よりも、ずいぶんと日本語が聞こえるようになった。最初は恥ずかしがって、なかなか日本語を声に出してくれなかったんだけどね。いい感じの手応えかな。
 今年の一年生は、聞くとハキハキ答え、まったく物怖じしない。授業中、くりくりした好奇心いっぱいの目でわたしを見ている。やっぱり一年生は可愛い。今年は一年生と高校三年生を交代したので、損をした気分だ。