給料日

昨日は給料日だった。ところが、金庫番の所に行くと、突然、昨年と同じ給料だと言われた。そんなばかな?賃上げ交渉はすでに終わり、年度末に副校長を交えて契約書にサインしてある。チュンポーン先生に言うと、「フィリピンの教師が二人はいることになったからお金がない。アイム、ソーリー」と言う。なにがアイムソーリーだ。なんのための契約書だったのだ?
かちんときて、「謝らなくてけっこうです!これは契約違反です。もう一度、校長と一緒に話しましょう」と突っぱねた。校長が出張から帰るのは明日。また、ひともんちゃくが起こるだろう。まったく、なんとかならんのかね、このいい加減さ。わからん学校というか、わからん国だ。
それに、急にフィリピンの教師とルームシェアをすることになった。昨日、インの部屋にやってきたのは50代の女性で、あまりにも違う雰囲気にわたしもインも戸惑った。インの顔が青くなるのがわかった。場末の酒場で働いているような女性だったのだ。
チュンポーン先生に他に空いている部屋はないのか、と掛け合ったが、今はないので同居してほしいとの一点張りだ。
今朝、インは一睡も出来なかったと言う。白い顔に疲れが浮かんでいる。
「マキ。彼女はわたしの歯磨きを黙って使ったんだよ。そんなこと、中国では絶対ないよ」と憤慨している。わたしたちは外国人で言葉の問題もあって疲れるから、プライベートの時間が必要だと言った。部屋にもどっても英語を話さなきゃならんのは疲れる。わたしも同感だ。二人で4人の副校長に掛け合ったが、すかぱかっとしない返事。
インを誘ってサイクリングがてら買い物に出かけた。夕焼けがきれい。どんなときも出口はあるさ、と夕焼けを見ながら思った。