最後の晩餐

アデルとクーパーが学校を離れるので送別会をすることになった。持ち寄りパーティということで、アデルたちはトーストピザ、インが炒め物、わたしが寿司と漬け物、さっぽろ味噌ラーメンを作った。
午後、クラスがなかったので夕食の準備をしていたら、アデルとクーパーが捨て猫にミルクをあげたいので、ないかと聞きにきた。教室に迷い込んできたのを生徒が机のなかに入れていたらしい。彼女らは生徒に「このまま放っておいたら死んでしまう」と言われて母性本能に目覚めたらしく、ここを離れるまで世話をして、もらい手を見つけるという。
わたしが猫を飼っていたのを知って、「Makiが飼いなさい」と言うが、「わたしは今年1年しかいないし、出かけられないからだめ」と断る。中途半端に生き物を飼って放りだすのは良くないと思うからね。
晩餐会は二匹の子猫が主役で、インも「かわいい、かわいい」と大喜びだ。ところがノミがいることがわかった。「ほうら、ごらん。シャンプーしないとだめだよ」とアデルに言っても、爪が伸びているから引っ掻かれるのは嫌だし、おふろに入れたことがないと困っている。インもクーパーも生き物は飼ったことがないと言う。アデルはわたしの顔をみて「Makiが入れて」と言う。
子育て中は、九官鳥、小鳥、にわとり、カエル、亀、ハツカネズミ、モルモット、金魚、ドジョウ、昆虫に猫など子供を含めて生き物係だったので、経験は豊富だ。
「もう、しょうもないね」と言いながら猫の爪を切りシャンプーをして、ドライヤーをかけた。
デザートを食べてお茶を飲んでいたら、「土日はカラシーンの友達に会いにいくので預かってくれない?」と言う。ほうら、見たことか。
わたしは日曜日に日本に発つので忙しい。準備もなにもしていないのに「もう、忙しいからダメとも言えず預かることになってしまった。しょうもないねえ、まったく。猫騒動の最後の晩餐でした。
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