クレィジー・トリップ その2

夕食後、教師や生徒たちがまたもやカラオケ大会を始めた。バスの中であれだけ歌っても歌いたりないらしい。うるさいからとビーチへ出かけることにした。
アデルが「ビールでも飲まないとやってらんない」と言ってビールを買おうとしたら3倍の値段で諦めた。合宿所に戻り、部屋でトランプゲームを始めた。すると、生徒が就寝したからか10時半過ぎにバーベキューパーティを始めるからと誘いに来た。ゲームを止めて下に降りて行くと、何やら楽しそう。バーベキューと言っても焼いているのはエビとイカのみ。そしてビールとウイスキーがあった。ビールが高くて買えなかったわたしたちはビールをごちそうになって、そそくさと就寝した。
翌日は、タイ式奈良の大仏のような仏像にお参りして、その後にまたロープウェイに乗って高台にあるお寺にでかけた。ところが入場料を払う段になって、タイ人は20Bなのに外国人は150Bだという。とんでもないお寺だ。
「見なくていいよ」とみんな猿をバックに写真を撮っていた。「Makiも撮ってあげるよ」というので「猿なんかと映らなくてもいいよ」と言いながらも木に腰掛けたとたん、猿がバックをひったくろうとした。しっかり握っていたので今買ったばかりのカゴの取っ手がちぎれてしまった。猿も悪いが粗悪品ばかり作るタイ人も悪い、と「坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い」形式になってしまった。安物買いの銭失いとはこのことだ。インの靴は1ヶ月で底が剥がれ、アデルのポシェットは2週間でファスナーが壊れ、わたしのサンダルは1週間で底に穴があいた。まったく、粗悪品ばかり作るからゴミの山が増える。タイはいたるところゴミだらけだ。
最後に立ち寄ったのは、バンコクを北上したあたりの、タイ式ミニチュアディズニーランドだ。生徒たちは21回券のチケットに大喜びで小さな子供のようにはしゃいでいる。
インも大喜びでなんだか可愛い。すべての乗り物や見せ物の前で「写真を撮って!」とカメラを渡すのでわたしはインの専属のカメラマンのようになってしまった。
大人にも6枚綴りのチケットが配られたので、インとお決まりのジェットコスターや足踏みボート、お化け屋敷などに入った。ところが、最後の1枚でアデルや学生たちとぐるぐる上下左右に回転する円盤に乗ったら気分が悪くなった。気分が悪いまま、最悪の状態でカラオケがんがんのバスに乗って、飲まず食わずで、月曜日の早朝4時に宿舎に着いた。
途中から雨で、バスの窓に叩き付ける雨の音を聞きながら、3ヶ月振りの雨だなあ、と草木じゃなくても生き返ったような気がした。
〜♬ハッピィバレンタインのクレィジー・トリップでした。
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