仕送り

チュンポーン先生に「マキは子供に仕送りしている?」と聞かれ、「いいえ、息子はあなたとおなじくらいの年齢で、もう独立しました」と答える。
今日、サコンナコーンのイミグレーションへ行く途中に豪華な家が新築されていて、「あんな家がほしい」とお金の話になったのだ。
チュンポーン先生は親や弟に仕送りしていて、家どころじゃないと言う。タイでは家族に仕送りするのが普通なのだと言う。そして、何処の国でもマイホームは大きな夢であるらしい。
「いくらなの?」と聞くと、百万バーツくらいだと言う。
「え〜、安いね! ノーマルな車一台分よ」とわたしが言うと、
「あの家は二百万バーツ近いかな」とうらやましそうにしている。
「広すぎたら掃除がたいへんよ〜」と買えない消費者に加担し、
「仕送りは私も同じで、独身のときは妹の学費を送っていましたよ」と答える。
結婚して子供が成長すると、今度は子供の学費を用意しなければならないし、けっこう大変だったなあ、と思うがそんなことはとうに忘れてしまった。
しかし、若い人たちが仕送りは大変だというのはよくわかる。フィリピン人のジェイとレイも給料がでると、すぐに銀行に飛んで行っていたし、インも上海の大学に通う弟に仕送りをしている。タイの給料はそれぞれの国の給料よりは良いそうで、インは国のボランティアで赴任しているので給料はダブルだ。近い将来大学院へいくための積み立てもしている。
「お金って寂しがり屋さんなのよ、だからお金のあるところにだけ集まるのよ」と言うと、「確かに!」とインが笑った。
「それにね、お札には羽が付いていて、すぐに飛んで行ってしまうの」と言う。
「そう、そう」とインはまたうなずく。
若いときは大変だったけれど、充実していたときでもあった。子供たちが成長してからは放浪癖がでて、その上、山中毒に掛ってしまったので、お金は山の彼方へ飛んで行ってしまった。なんともクレイジーな生活をしていたもので、誉められたものじゃなく、偉そうなことは言えない。やれやれだ。

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