働く子供

ノーンカーイで西川学校(日本語学校)のスタッフと夕食のテーブルを囲んでいたら、バナナチップ売りの子供がやってきた。蛍光塗料の入った光るボールをつきながら、にっこり笑う。西川学校のオーナーが、「どれどれ?」とカゴを覗いてバナナチップを買った。利発そうな、もの怖じしない少女は、質問にもはきはきと答える。西川オーナーがおもしろがってアイパッドを出して使い方を教えたら、すぐにマスターし、みんなに囲まれて遊び出した。
この少女は学校へ行っていないという。毎晩、親に20bのバナナチップが30個入ったカゴを渡され、それを売らなければならない。ということは、1日600bの売り上げで30日働いたら18000bになり公務員の初任給(8000~10000b)より高い給料になる。親は学校へ行かせずに働かせるわけだ。「おかあさんは、何をしているの?」と親の仕事を聞くと「屋台」と答える。西川オーナーに「頭良さそうな子ね。足長おじさんになるのはどう?」と言うと、「まず、親を説得しなければならない」と言う。こんなに稼ぐ子を親は離さないと言うのだ。彼はラオスやタイの子供たちの足長おじさんをしている。多いときで10人くらい援助していたそうだ。
ソーンスパンくんもその一人で、今年ラオスの国立大学に受かった。彼の将来が約束されたようなものだ。貧しい暮らしをしていたソーンスパンくんは運命の巡り合わせのように西川オーナーの目に止まり、西川学校の外回りの仕事をしながら勉強をしていた。そして、大学に合格したのだ。このバナナチップ売りの少女も学校に通って勉強したら、彼女の将来に道が開けるだろう。何をもって、人が幸せだと感じるかはわからないが、なんとも複雑な心境だった。
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