Best friend

ようよう宿舎の前に辿り着いたら、インが飛び出して来た。
バスが遅れたのを心配していていたらしい。「お腹すいてない?」と聞かれて「もう、ぺこぺこ」と答えたら、ほかほかのさつまいもを持って来てくれた。さっそく番茶を入れる。なんだか懐かしい田舎の味で、ひさびさのおしゃべりもなんだか懐かしい感じ。こんなド田舎で、待っててくれる人がいるなんて嬉しいもんだ。
「ゴッティがね、マキのメルアド教えてって言うから、なんで?って訊いたのよね。そしたら頼みごとがあるって言うから、知らないよって嘘ついちゃった!」
「さすが〜!イン。私のことよく知ってるね」あはははは、と笑ってしまった。
「そんな、頼まれた荷物持って歩きたくないもんね」と笑っている。インのとっさの機転に感謝する。なんていい友人だろう。
今日は一緒にご飯食べようと、シャワーを浴びて買い物に行く。台所でサーモンの薫製をかじりながら、菊水の日本酒を飲む。「かんぱ〜い!」。日本から背負って来た新米でおにぎりをにぎり、お好み焼きを作る。デザートはソムオー(ざぼん)と六花亭ウイスキーぼんぼん。ぼんぼんはザックのなかでこわれ、アルコールが蒸発してしまったのを、二人でちまちま砂糖のかけらを拾って食べた。
食後はインに振り袖を着せて撮影会。インは日本人形のように可愛いらしくなった。こんな美しい総絞りの振り袖に手を通したのは私も始めてのこと。どっしりとした絹の感触は感動もんだ。
しかし、インはこちらの白地の柄がお気に入りだった。
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