アンコールワット観光

旅は出会いがいい。それぞれの時間で生きている素敵な旅友に出会った。
何の準備もなく行き当たりばったり格安ツアーに申し込み、乗り合いワゴンに乗ったら、欧米、日本人の8人全員がバックパッカーだった。バンコクのカオサン道りから、でかいザックと一緒にぎゅうぎゅう詰めに押し込められ、ワゴン車、バス、タクシーと4回も乗り換えて、ようやくシェムリアップ到着した。
にわか旅友はニュジーランド在住のユミさんと函館出身の若者二人だ。翌朝、4人でご飯を食べていたら、大きな一眼レフを抱えたマシュマロみたいな女の子がやって来た。大阪出身のイクちゃんで、もうすでにアンコールワットを見学したとのこと。若者二人組はアンコールワットの朝日観光を終え、ペンメリア観光のあとはベトナムに発つと言っていたので、その後会う事もなくさようなら。
女三人でペンメリア観光に出発。ガイドは日本語を話すカンボジア人。三輪車のバイクタクシーに乗って2時間半移動する。遺跡は「天空のラピュタ」のモデルになったと言われている。自由気ままな女三人は、くそまじめなガイドにくたびれて、「彼がじゃまだよね」と勝手なことを言っている。学校に行けない子供たちが観光客に付いて回りチップをねだる。いくちゃんは遺跡よりも子供に興味があるらしく子供の動きを追っていたし、私は私でガイドの説明は上の空でシャッターを押しまくり、ユミさんだけが真面目に相づちをうちながら話を聞いていたような気がする。
ホテルに戻り、水上生活をしているベトナム村の夕日観光に出かける。これは日本のドキメンタリー番組で見た事があった。ベトナム戦争の難民が湖に筏を組んで暮らし始めたのが最初だそう。学校も教会もあり、漁業をして生計を立てているそうだ。ここでもまた、夕日を眺めながらそれぞれの想いに浸り、ガイドの説明も「ふ〜ん、ふん」と聞き流しておしまい。

翌日はアンコールワットの小回りコース、アンコールトムの観光と遺跡からの夕日観光だった。いくちゃんはガイドのサンポくんと滝に行き、かわりにラオス旅途中の新婚さんのアキさんが登場。またまた女三人のツアーに出かける。
久々に、早朝からまじめに観光したのでくたびれて遺跡の上で寝てしまう。たらたらとガイドのあとを付いて回り、ろくに説明も聞いていないので、アンコールトムの遺跡のクライミングから降りてきたら、ガイドが行方不明だった。
「ユミさん、ガイドの名前、知ってる?」と私。
「しらん〜」との返事。ぼけ〜っと、待っていたら他のガイドに心配され、あれこれと質問攻めに合う。しっかり者の新婚のアキさんが遺跡をひとまわりしてガイドを探して来てくれて、やれやれ。小高い丘の遺跡からの夕日も眺めて満足、まんぞく。
夜になると俄然元気が出て、2日間ともオールドマーケットで買い物をし、屋台でご飯を食べてビールを飲んだ。
翌朝はアキさんを残して、みんなの移動の日。いくちゃんは夜帰国。ユミさんは朝のツーリストバスに乗り、私はメキシコのおじさんとタクシーで国境へ。ワゴンを2回乗り継いで、無事にバンコクのカオサンに戻った。スカイトレーンに乗ってバスターミナルに移動する。
モーチットバスターミナルは民族大移動のように混雑していて、夜8時のバスが完売だった。「どうしょう?」と困っていたら他のバス会社を教えてくれて、おんぼろバスのチケットが手に入った。もみくちゃにされながら20キロのザックを担いで待つ事1時間。9時始発なのに9時半過ぎにバスが到着し、その上バスの外側の荷物入れは他の貨物でいっぱいなので、座席の足元に大型ザックを置くしかない。小さいザックは椅子の下に入らずお隣さんの足元へ。「すいません、すいません」と平謝り、ザックの上に足を乗せて窮屈な体制のまま寝た。翌朝の7時到着のバスは、雨期の洪水で川のような道路を徐行運転のためさっぱり進まず、学校に到着したのは午後の3時だった。丸1日半近くの大移動となった。やれやれくたびれた。
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