山の遭難

今年の北海道は記録的な暑さそうで、山がにぎわっているだろうなと思っていた。
山友達からメールが届いて、山での遭難が続発しているとのこと。本州からの登山者ばかりで、黒岳からトムラウシへの縦走で単独行の男性が行方不明になり捜索は打ち切り。北戸蔦別岳ではツアー登山で疲労で下山できなくなり8名がヘリコプターで救助され、この時のガイドがゲートを合鍵で開けて林道に入った事がわかりかなりマスコミに合鍵を売っている店などが出て騒がれているとのことだ。その翌日には幌尻岳で女性ばかりの4人が増水した沢で転倒、一人が死亡し、それからまだ4〜5日しかたっていないのに、また黒岳から旭岳への縦走者が行方不明になっているとのことだ。
みんな、北海道の山をなめちゃ、あかんよ。本州の夏尾根と違って山小屋はないし、日高はアプローチが長い。標高は2000mくらいしかないが、緯度が高いのでそれだけ寒い。大雪山連峰は広大な台地で天候が悪化すると強風が吹き荒れる。停滞しないと雨風で直ぐに低体温症になる。日高は急峻でひとたび雨が降ると、沢は瞬時に形相を変え鉄砲水がドラゴンのように暴れだす。
お〜こわ!わたしもなんども危ない目に合っている。くれぐれも準備万端整え、さらに天候の悪い時は山に入らない方が良い。
海外の公募登山に参加するようになって、登山ガイドに「どうして、日本人は年寄りばかり山に登るのか?」と聞かれて返答にこまった。「若い時は仕事が忙しくて時間が取れないから」と答えたが、「登山は若者のスポーツだろう?わたしも、もう危険な登攀はしていない」と言っていた。彼は、まだ三十代半ばだろう。
ヨーロッパアルプスの登山ガイドは年輩の男性が多く、カッコいい。洗練された山ファッションと鍛えられた身体にザイルを斜めにかけ、長い脚でのアイゼンワークはカッコよく、惚れ惚れする。山仲間の男たちでさえ「カッコいい!」と言っていた。
ヨーロッパは登山の歴史が長く、登山ガイドは尊敬され憧れの職業なのだと聞いた。もちろん、ガイドのライセンスを得るにはキャリアや知識が必要だ。日本とはずいぶん違う。日本では誰でもガイドができる。遭難事故は登山者だけの問題ではなく、ガイドのシステムにも潜んでいるような気がする。
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