アシスタント・デレクター

アシスタント・デレクターが赴任してきた。校長見習いの先生だ。
それが、すごいハンサムな先生でトニー・レオンを甘くしたようなマスクだ。新任の挨拶があり、各学校の教師たちが集まった。
私の隣に座った男の先生がすてきなバラの花束をもっていたので、思わず「すてきな花束!」と言った。すると彼は「彼を愛しているの」と嬉しそうに言った。私は思わず顔を見た。彼は50代で独身風、両足をぴたりとつけて座り、しぐさがとても色っぽい。レディポーイの先生なんだ、と納得。
レディポーイの先生は「彼は、とてもすてきだから、ファンがたくさんいるの」と教えてくれた。ステージを見ると、アシスタント・デレクターはたくさんの花束とプレゼントを受け取っていた。隣の先生もいそいそとステージに向っていった。
それにしても、どうどうと「彼を愛しているの」と言える国はそうないんじゃないかなと思う。彼は結婚していて、これまた美人の奥さんがいる。彼の奥さんはどう思うのだろうか。こんなに沢山のファンがいて心配じゃないのだろうか。こちらのほうがはらはらしてしまう。お二人は英語の教師なので、ときどき立ち話をするが、ほんとうに美男美女のカップルだ。