中間試験

一年生の中間試験の初日だった。
ゴティ先生に、「初めてなので易しい問題がいいですよ」とアドバイスを受けていた。いろいろ悩んで易しい問題を作った。日本語で名前をかいてもらい、タイ語であいさつを書いてもらうような問題だ。あとは、単語の選択問題と顔の部位を線で結ぶ問題で、これなら半分以上はできるだろうと思った。
試験の前の週にはテスト問題の予習をし、テストの前に復習をした。「さあ、テストを始めますよ」と用紙を配ってテストを始めたが、立って歩くわ、おしゃべりするわでてんやわんやだ。自信のない子は出来る子に、ぴったりと張り付いている。
「コビーしないでね、わからなかったら聞きましょう」と言っても不安げだ。「大丈夫易しいから」と安心させて、気持ちだけ机を離す。
何とかなりそうかな、と思いながら、生徒の背後から答案用紙を覗くと、問題が間違っていた。スペルのミスが1カ所あり、あわてて説明する。やれやれ、終わったわいと、ほっとしながら答案用紙を集めた。ここで、またあわてた。生徒の字がきたなくて、タイ文字で書かれた答案が読めないのだ。あちこちに花丸がついたような文字がほどけてミミズが這ったようにしか見えない。こりゃ、判読するのが容易でないぞ、と青くなった。仕方がない、今夜は徹夜で点数つけねば。しかし、生徒のほうが一枚上手だった。私のミスに気がついて、すでに修正液で直していた。かたじけない。

Choyu8201m