雨漏り

夜中、ベットの上に雨が降って来て、びっくりして目が覚めた。天井の備え付けの扇風機のあたりから、じゃばじゃばと水が落ちてくる。慌てて、ベットを動かし、床にバスタオルを敷いた。外はごうごうと風のうなり声がすごく、天の底がぬけたような集中豪雨だ。天井のすす払いをした時、シミがあったので、雨漏りするのかなと思ったが、まさか本当に雨が降ってくるとは思わなかった。
雨期の雨は天地が動く位にダイナミックだ。空を割るようにバリバリと稲妻が走り、大嵐が樹々をへし折る。雨足は地に穴があく程に強く、まるで滝のようだ。もし、雨の中に立ったとしたら首なんか簡単に曲がっちゃうかもしれない。
北海道日高山脈のピリカヌプリに沢登りに行ったとき、夜中に雨が降り沢が増水して、翌朝引き返した事があった。水量が増えトラバースに手間取り散々な目にあった。沢の徒渉が出来ず、滝の後ろを通ろうとして壁に張り付いたら、水しぶきでヘルメットは首振り人形のようになった。仕方なく徒渉したが、わたしは流されて滝ツボに落ちた。ザイルをつけていたのでよじ登ろうとしたが、お腹に落ちる濁流が痛くて這い上がれず、ザイルを流してもらったら運良く岸に辿り着き事なきを得た。
夜中のアクシデントに、久しぶりに山を思い出し、気分だけ涼しくなった。