旅便り

北海道を自転車旅をした若者から旅便りが届いた。
真夏の爽やかな空気がパソコンからこぼれた。北海道の大地の樹々の緑の香りや、湿った黒土の匂いがよみがえってきた。いいなあ、またテントを積んでバイク旅をしてみたい。今度はオフロードバイクじゃなく、もっとシックでクラシックなタイプのバイクに革ジャンの上下を着て、ちょっと遠出のツーリングなどいいかもしれない。わあ〜、いいかも。想像するだけで楽しくなって来た。
山のツンとした冷たさの空気だって、考えただけでヨダレが出そうに懐かしくなった。もう、このくそ暑いタイは、毎日サウナの中で生活しているようなものだ。大汗かいて、生徒に負けないように声を張り上げて授業をしている。昼休みは職員室に生徒が群がり、蜂の巣を突っついたたようにぐわんぐわんと騒がしい。「テ〜ちゃあ、テ〜ちゃあ!、せんせ〜!」と机の回りでわめき、興味津々持ち物を触り、質問攻めに合う。インもジェイもレイもみんな生徒の中に埋もれて見えない。午後の授業のベルが鳴ると同時に潮が引くようこの騒ぎから開放される。みんなで、いっせいにふ〜っとため息をつく。やれやれ、静かになった。
タイの先生は厳しいので、ここの職員室はたまり場のようになっている。それにみんな子供好きだ。自分の子供以外には可愛いと思ったことはないが、タイの生徒たちは人懐っこくかわいい。「I love teacher~!」と言われて「Me too !」と答えている。