「エレファントム」ライアル・ワトソン

お正月に読みかけの本を片付けていて、一番面白かった本が<エレファントム>。
ライアル・ワトソンは<アース・ワークス><生命潮流>などの著書で有名である。いくつもの肩書きを持つ自然科学者で、この本は彼の子供時代の体験が織り込まれていてる。
興味深かったのはゾウとクジラが対話する話。
南アフリカの最南端、喜望岬に近い地域がゾウが乱獲のため、最後にメス1頭だけが残された。そのゾウが海岸でクジラと対話しているのを見たという。著者はゾウとクジラは超低周波音で会話ができるのだと確信している。読んでいるうちに、ゾウの持つ神秘的な能力に引き込まれてしまった。
今日、17日の日曜美術館で江戸時代の画家「伊藤若冲」の作品、「象と鯨図屏風」にゾウとクジラが交信しているような光景が描かれていた。なんだか不思議。若冲は知っていたのだろうか
さらに興味深いのは、1911年に無記名で発表された論文「驚くべき証拠」副題「人類は中世代の長鼻類と共存していた」である。当時この論文は中世代に人類の出現は早過ぎるとして問題にされなかったという。ネアンデルタール人が生きていたのは今から2万年前にすぎないからだ。
ライアル・ワトソンはこの論文の著者はNYのアメリカ自然史博物館のオズボーンだと推測している。「驚くべき証拠」は今も謎のままアメリカ自然史博物館に眠っているそうだ。
Lyall Watson (1939-2008)アフリカ・モザンビーク生まれ