マッキンリー アラスカ

マッキンリー、この美しい独立峰を知ったのは 1992年に札幌で開かれた星野道夫さんの写真展である。
その時、会場にいた星野さんはアラスカの自然の素晴らしさについて話してくれた。写真よりもその人柄と言葉に興味をもった。「恐ろしいほどの静寂の中にいる」と言ったからだ。
その日のうちに、<Alaska 風のような物語>を読みアラスカに行ってみたいと憧れた。
しかし数年後の1996年、星野道夫さんはカムチャッカでヒグマに襲われ亡くなった。もう、彼の新しい本を読むことはできない。
翌年の六月、彼がライフワークとしたアラスカを旅した。マッキンリーをセスナで飛び、山魂の雄大さと氷河の美しさに魅せられた。なんと雄大で美しい山だろうと息を呑んだ。
寝てもさめてもマッキンリーに恋いこがれ、三度目にしてようやっと登頂の願いが叶った。