避難所アトリエ?


 地震の影響で大学校舎のアトリエが使えなくなり、後期の授業が大変なことになってしまった。急遽、講堂を仕切ってアトリエにしている。油彩も日本画、造形、版画も一緒の避難生活だ。4年生は卒業制作をしていて、大きなキャンバスが立ち並び、広い講堂が狭く感じる。道展に出展する生徒も数名いて、150号のキャンバスに向かい最期の追い込みに入っている。


 後期の実技は日本画と版画を履修することになり、どちらも講堂の片隅に折りたたみ式のテーブルを出して授業を受けることになった。背中合わせで自画像デッサンをしているクラスがあり、先生のアドバイスが自然と耳に入ってくる。
 「これって、ダブル授業みたいでいいよねー」と版画の先生に言うと「そうですね、他の学科のアトリエは入りづらいから怪我の功名?」と笑う。ーーーいい先生だ。


 講堂全体が静かなエネルギーに包まれ、その集中力がすごい。水がないから日本画のクラスは大変だけど、これはこれでいいかも?と思う。