いまどきの会話


 実技の授業中、泣きながら下絵を描いている生徒がいて、いったい何事?と思いながら耳を傾けていると、どうやら彼氏に振られたらしい。それをああだこうだと泣きながら「男ってどうしてなの?」と先生に突っかかり、先生はまた真面目に「コメントできないわ」と答え、さらに重ねて「先生は独身ですか?」と聞くので、背中で笑ってしまった。


 その生徒がテキスタイルの授業でも一緒になり、また振られた彼氏の話をしていると、元気な女子に「あんた、もう古いわ、その話!」と言われ、思わず吹き出してしまった。
 今の時代、三日前の出来事はもう古いんだ? やあ、そのスピードにはついていけないわ。


 メディアは元気な生徒が多くて、美術は男子、女子含めて繊細な生徒が多い。コミニケーションができない生徒もいて、自己紹介してください、と言ったら授業に来なくなった生徒もいたとか。
 おとなしい生徒は、話しかけられたら嫌なのかな?と遠慮して、つい食らいつきのいい元気な女子と話をする機会が多くなる。ーーーわたしも子供のころは挨拶が苦手だったし、今でもドキドキするしね。


 しかし、人間一人では生きられないからコミニュケーション能力はあったほうがいい。
わたしはそれを山で学んだ。役割分担や協力して一つの目的を達成することは、目的を遂げなくてもその過程を共有することで仲間意識が生まれ、その人の嫌な部分も含めて人を受け入れるキャパシティが広がるような気がする。


 ま、いろいろあって、毎日が面白い。



by Chinatu Aida