芸森の名品ー2
芸術の森美術館へ船越桂の作品を見に行く。
春めいた陽光に誘われて郊外を散策するのも悪くない。連れ出してくれた旧友に感謝する。
最初の部屋に八木信子先生の100号の作品がかけられていて、懐かしい人に出会ったような思いがした。
「二月の室内」1991は室内から眺めた冬景色で、椅子に黒猫がくつろぎ、大きなテーブルの上にはすみれ色の花。白いおしゃれな室内はどこかパリの佇まい。
ーーー雪景色の下地に黒を使い、ペンティングナイフじゃなく包丁で大胆に絵の具を置いていたってほんとかしら? と思う。
船越桂の彫像はいつも遠くに視線を馳せていて、浮遊する透明な想いは点を結ばない。展示されていたのは「雪の上の影」とそのデッサンで、そこだけ雰囲気が違います。
一日中、ラジオの第二放送を聴きながら制作しているそうで、気象情報が好きなんだとか。
ーーーそこだけが同じで、ちょっと身近に感じますね。
いい作品を眺めて、幸せな春の一日でした。