賄い


 息子家族がインフルエンザにかかり、家籠もりとのことで、こちらも篭もってだらだらとお正月を過ごしていたら、後半に来客が集中することになってしまった。


 よっしゃあ!と朝から腰にエプロンをきりりと締めて、ケーキや鯛焼きを焼いたり、餃子やカレーの下ごしらえをしたりと大忙し。昼もキッチンであれこれ味見しながら、キッチンドリンカー。
 ーーーほろ酔いで、ご機嫌です。


 ちまたは今日が初出勤で、新しい一年が始まります。
勤めていたころは、ずうーっと正月だといいのにと思いながら地下鉄に乗っていたけど、いまは地下鉄ウォッチングが楽しい。いろんな人がいるのにワンパターン。みんなスマホをいじっている。学生は大きなリックを背にスマホ、勤め人はバックを片手にスマホ
 文庫本を持っている人がいると、珍しくて視線がそちらにいく。移動時間に新聞を読んでいる人も見かけない。この中に異星人がいたら、地球人が持っているあの小さな箱はなんだろう?と思うだろうね。
 

 最近、ガラ携を持ったばかりのわたしは異星人に近いのかも?、そういえば、ガラ携のガラをガラパゴスと知り、全面納得。海外の携帯はみんなシムフリーで、シムを入れ替えるだけでどこの国でも使えるのに、日本はなんで?と憤慨していた。


 わたしは時代に逆行する半化石化した人間なのかもしれないが、すべてをAIが代行する世の中になってしまったら、どうなるんだろうか。考えることもしゃべることもしなくなって、味気ない世の中になるかも? 人間だけができることってなんだろうか?
 ーーーてなことを考えながら、会ってしゃべることは大事!と黙々と餃子を包んでいました。