お盆


 陽気なスペイン一家は早朝の列車で京都へ向かった。
朝4時に起きてお弁当のおにぎりを作り、カプチーノを入れ、くだものだけ食べさせてタクシーに乗せたら、緊張が解けて疲れがどっと出た。


 子連れ家族は受け入れる方が大変だ。文化の違いや食べ物の嗜好など、食品にこだわりがあると困ってしまう。それに親の教育方針もあるので下手な口出しはできない。欧米の暮らし方をそのまま日本に持ち込んでも日本には違う慣習があるからね。


 忘れ物をした!と母親が靴のまま畳の部屋に入ると、その後を二人の子供が靴のまま追いかけ父親まで土足で上がる。わたしもよくやるから、たいしたことはないけれど、神経質な人は嫌がるだろうねぇ....。
 食事はたんぱく質と炭水化物を半々に取り、市販のクッキーは与えたことがないとのこと。わたしもほとんど手作りして子供を育てたから人のことは言えないが、旅行の時は柔軟に対応しないとねぇ...。


 支笏湖から滝野公園に入り、遊園地で散々飛び跳ね走り周って遊び、6時半に帰宅したのに、これから月寒公園の遊園地で子供達を遊ばせたいという。もう暗くなるから遊べないというと、子供を遊ばせて疲れさせないとわたしが寝られなくて困る、という。みんなでスーパーを2軒周り、買い物して帰ったのが8時。
 急いでジンギスカンの野菜を切っていると、早くしないと子供達がうるさいと言うので、ぶっちぎれそうになった。
もう、簡易コンロを出すのも止めてフライパンでシャージャー焼いて出した。翌日のバーベキュー用にとってあったお土産のワインを開けて、乾杯!ーーー美味しかったので、怒りも治まったわ。


今回のおもてなしは友人達の助けがなかったらできなかったと思う。
家庭菜園の友人が新鮮な野菜を届けてくれて食費がずいぶん助かったし、子供用の盆踊りの浴衣探していたら、近郊の友人が七五三の着物を届けてくれた。
 普通乗用車には全員乗れないので、近くに住む友人が車を出してくれて、洞爺湖支笏湖と観光し、温泉に入り、夜は奥さんが日本料理をふるまってくれた。
 旧友は天気が持ち直したからとバーベキューパーティを開いてくれて、厚岸の牡蠣や江差のウニをご馳走してくれた。北海道の珍しい食材がテーブルに並び、ここ数日、朝ごはんを食べる暇もなかったので、そこで腹ごしらえをして一段落。


 まあ、建築家のフェルナンドの友人だから、今回は特別なおもてなしね。それに息子家族や友人家族も喜んでくれたし、お礼にと2度もオペラを歌ってくれて感激しました。ーーー子供達のお母さんはプロのオペラ歌手ですもん。
 大変だったけど、楽しい一週間でした。彼らの子供達が日本びいきになるのは間違いないわね。


 そうそう、今日はお盆でした。
マイ仏壇にお線香をあげ、ご先祖さまに家族を見守ってくれるようにと手を合わせました。