みんな、違ってみんないい!


 人それぞれ、みな考え方も見方も違う。当たり前だけど絵の描き方がみんな違う。3ヶ月も経つと、自分の絵のことはわからないんだけど、人のアラが見えてくる。
 人の絵は客観的に見れるからだと思うんだけど、なんでこの人の描く絵はみな本人と同じ鼻の形なんだろう? と思ったり、人物を描いているのに、どうして石膏像の顔になるんだろう?と不思議に思う。
 みな、頭の中には人の顔の確たる模型が潜んでいるのだろうか? しかし、その人なりの描き方の特徴に雰囲気があって、いいなと思う。


 今週は一週間、人物で画材は自由。わたしは2日しか描けないので鉛筆デッサンにした。
モデルさんはレトロなファッションで、グリーンのプリーツスカートに赤い靴下とハイヒールの組み合わせが素敵だ。
「わあ、素敵な色ね。これはカラーで描いたほうが素敵!」とお隣りのお嬢さんに言う。彼女は油彩の3枚目だ。


 赤い靴下とハイヒールに気をとられていたら、なんだか変だ。スカートに隠れた太ももと足が短いような気がする。
そしたら、園長先生が「下半身のバランスがとれてないですね。まあ、雰囲気もあるし、これはこれでいいでしょう」とおっしゃる。
 ーーーよくないわよ。もう、はやく言ってよ。


 と、いうわけで気前よくザーッと消した。
「えっ、思いっきりがいいですねー!」とびっくりされて、ーーーそうよ、それがわたしの人生さ。