コーヒーブレイク


 久しぶりに暖かいお天気になって、近くのコーヒー店でコーヒーブレイク。
桜もコブシも、梅も一気に咲いて、北の大地は発情したよう。藻岩山の新緑が日に日に色濃くなっていく。ライラックも開花して街中がいい匂いに包まれている。北海道はこの時期が一番美しいと思う。


 札幌珈琲館は創業35年だそうで、古い木造の3階建ての建物がレトロな感じ。しかし、中に入ると鉄筋が入っているので外観だけ古いままに保存したのかもしれない。札幌は歴史がないのでスペインの建築家の友人を連れて来たことがある。ヨーロッパは石の文化なので、木の建築を珍しがっていましたね。


 彼はいまイタリアのフローレンスで仕事をしていて、イタリアの各地を飛び回ってワークショップをしているそうだ。
「いいなあ、いまギリシャ彫刻を描いているから、うらやまし〜!」とメールをしたら、7月まで奥さんの両親に子供の面倒を見てもらっているから、なにかと大変だとのことだ。


 始めての海外一人旅、サハラ砂漠で知り合ったフェルナンドは有名な建築家になってしまった。
アンダルシアの古い小さな村をそのまま保存するプロジェクトがアムステルダムでの賞を獲得したのだ。建築家のノーベル賞みたいなもんかな。その後、三度も賞をもらい、賞金はすべて旅行に使ってしまったそう。札幌の北大でも二度、ワークショップをしている。


 北大の建築学科の教授陣に混じって会食をしていたとき、「この人とはどんな知り合い?」と訊かれて、フェルナンドが「わたしの大切な友人」と答えていたのが嬉しかったね。日本では、場違いなわたしが建築家の仲間にいることに違和感があるのだろうけど、スペインの大学やワークショップはフレンドリーで友人であればいいのだ。「Makiはエベレストに登ったんだ」と紹介するとみんな面白がってくれる。昨年も地元バレンシアで行われたレクチャーに参加して、打ち上げの会食が楽しかった。


 子供たちが、「日本に行きたい!」と言っているそうで、家族4人だから、飛行機代が大変だぁ...と嘆いてましたね。日本の大学でワークショップがあればいいんだけどねぇ。