なっちゃん


 昨夜、明日は朝が早いからと8時にベッドに入ったら、ドアをノックする音が....。
誰かな?と思い、ドアを開けると、なっちゃんがカオニャオを持って立っていた。ご両親も一緒だ。


 お米を作っているというご両親はお二人とも小柄で真っ黒に日焼けして、朴とつそのもの。にこにことして英語の会話を聞いている。ーーー娘を誇りに思っているのがしみじみと伝わってくる。


 ありったけのタイ語で感謝を伝え、「この新米は息子家族に食べさせたい」と言うと、「食べたくなったら日本へ送ってあげるから」とおっしゃる。ーーーほろりとして、こんな人がいるなんて、タイはなんていい国なんだろうと思う。


 なっちゃんは「いい思い出を残してほしい」と夕方、公園のジョギングに誘ってくれた。人懐っこい女の子で、友人も多く会う人ごとに、わたしを紹介してくれる。そのあと、ウォーキング・マーケットを散策して、食べ物を仕入れ、部屋で一緒に夕ご飯を食べた。ーーー久々に楽しいひとときだった。


 彼女を知ったことやご両親と会えたことはほんとうに嬉しい。
将来を見据え、ちゃんと勉強しているなっちゃんと、地道にお米を作り、娘を大学へ通わせているご両親。とても裕福とは思えないけれど、笑顔がいっぱいなのだ。


 ーーー大切にすべきものは何なのかを示された気がする。