Family


 お隣さん家族が、来年春にアメリカに引っ越しすることになった。
タイで生まれたお子さんのパスポートを取得したり、フィリピン人のミュークの渡米ヴィザなどを申請するためバンコクまで出かけたりで、忙しない日々を送っている。


 11月は子供の幼稚園が休みなのでフィリピンからお母さんを呼び寄せ、サウジアラビアで働いているお姉さんも休暇中でタイに来ている。近くの高校で英語教師をしているお姉さんも学期休みで、お隣は家族が集まり賑やかになった。ワンルームの小さな居間に団子になって寝ていて、毎日楽しそうだ。


 アジア圏のファミリーは家族関係が親密だ。困ったことがあると親類一同、家族で助け合う。チャールズが、アメリカはクールで、親は成人した子供と一緒に暮らさないし、金銭的援助もしないのだという。それで、父親の住む小さな町に引っ越すのを迷っていたが、子供の教育や将来のことを考えて決断したようだ。


 日本は欧米なみになってきていると思うが、バイトしながら親と暮らす若者やニートも多いから、子供には甘いんだと思う。私も息子には甘いと認めるが、幸い?なことに、彼は独立心旺盛だった。


 息子が転職のために札幌に戻り、公務員の受験勉強をしていたことがあった。
面接の飛行機代やこずかいを渡しても受け取らなかった。大学時代から履いているスニーカーを捨てようとしたら、
「まだ履ける!」と怒られた。ゴム底がすり減って穴が空いてるのにだよ。


 いいかげんな私と娘は「正しすぎて、疲れるわ...」とボヤいていたけど、我が家の生活の指針、合理的基準にもなっていて、まあいいんだと思っている。