「ある小さなスズメの記録」クレア・キップス
巣から落とされたスズメの雛を育てた記録。
戦前、ロンドンに住んでいた未亡人が変形した羽を持つ雛を拾った。彼女は冷たくなっていた雛の口をこじ開けミルクを与え、温かく包んで介抱する。スズメは彼女の献身な努力によって命を得る。
それ以来、小さなスズメは13年間もの長い間、彼女と暮らしを共にする。戦争の最中、芸をして人々を慰め、また彼女の弾くピアノで歌う事を覚える。
スズメが歌う?とびっくりした。それに13年も生きて、人間と同じ脳卒中になり、スズメが自分でリハビリに励むなんてね、信じられる?
子供のころ、隣の家の屋根が北海道では珍しい瓦屋根だった。毎年、暖かくなるころスズメの雛が孵って賑やかだった。
あるとき、巣から落ちたスズメを拾った。母に育たないと言われたが、わたしは小さなベッドを作り、お米をすりつぶして練った餌をあげた。親戚のおじいさんが野鳥を育てるのが趣味だったので、すり餌をもらい世話をしたら、スズメは羽が生えてチュン、チュン鳴くようになった。
あのまま飼っていたら、本のスズメのように懐いたかもね?と思う。
あのときは飛べるようになってから放した。うちには猫がいるし、親戚のおじいさんが飼っていた、シジュウカラ、カケス、オオルリ、コルリ、ウグイス、メジロなど、美しい声で鳴いて素敵だけど、鳥かごの中でかわいそうだったからね。