花盛り


 いま、藤に似た黄色い花が咲いている。
木に咲く花は豪華絢爛。桜吹雪のようにはらはらと花びらが散って、ペーブメントを黄色に染める。背の高い木で、インゲンのような実が短冊のようにぶら下がっている。「これ食べれる?」と聞いたら、食べられないそうだ。
 


 そんななか、学生寮の前の道が通行止めになり、ステージが作られた。
どらえもんの「どこでもドア」じゃないけれど、タイ人はどこにでもステージを作る。でもって大音響のパーティが始まる。
 どでかいステージの前にプラスチックのテープルと椅子を並べ、白いカバーを掛けて式場のように仕上げてしまう。側にガスボンベを持ち込み、タイ料理のフルコースを作る。そして、恒例の大音響でのカラオケ大会が始まるのだ。


「いったい、なんのパーティ?」とミュークに聞くと、先生たちのためのパーティで、いつもは私たちのビルでやるんだけど、お寺が近いので苦情がきたとか。
「外国人は招かれないのよ」と文句を言っていたが、カラオケパーティはご遠慮したい。



 翌朝、ゴミを出しに行くと、ステージもテーブルも、あとかたもなく消えている。
道路はゴミだらけ、ペットボトルと発泡スチロール、ビニール袋が散乱している。
 ーーー兵どもの夢の跡.......ってとこかしらね。



 山や町内会でゴミ拾いをしていたので、ゴミを見ると拾いたくなる。
ここに赴任して、職員室と日本語教室をきれいにするのに3ヶ月くらいホウキを持っていたら、変な目でみられたものね。お掃除のおばさんがいるのでむやみに手出しはできない。拾いたい気分を我慢している。