豆を煮る


 冬になると居間のストーヴの上で豆を煮ていた。
金時豆に似た豆を見つけたので、電気コンロで豆を煮ている。部屋に豆の煮える匂いが漂ってきて、心が満ち足りる。


 ストーヴの上で調理するのは、豆だけでなく、カレーやシチュー、おでん、アルミホイルに包んだサツマイモなど。家にいて、何かをしながら、じっくり煮えるのを待つのはリッチな気分になるもんだ。まあ、高熱費の節約にもなるしね。


 むかしむかしの冬の夜、母がストーブの上に南部鉄の型を乗せて、お焼きを焼いてくれた。
焼きたてのお焼きは香ばしく、なかのアンコがとろけて美味しかった。温かくなったお腹で布団に入って、満ち足りて眠りに落ちましたね。
 ーーーあの頃、夕暮れ時が夕ご飯だったし、寝るころはもうお腹が空いていたのかもね......。