「きん,だいまい?」(食べられる?)


 期末試験の採点や宿題のアドバイスで忙しく、ミマ氏の庭で採れたココナッツを食べるのを忘れていた。
冷蔵庫から出してみたら、茶色に変色している。食べられるんだろうか?お腹を壊してもなんだしと、ココナッツを抱えて寮の管理人に聞きに行った。
「きん、だいまい?」「だあ〜い!」というので、「ちゅわい、くわ〜ん?(おねがい、ナタ)」と言ったら、通じたらしく探している。中国製のでかい包丁を貸してくれたので、穴を開けてココナッツジュースを飲むことができましたね。


 もう、最高! 甘くてコクがあって、いい塩あんばいで、いままで飲んだうちで、一番美味しかったです。
 単細胞だから、「タイに来て良かったぜ!」と感激し、なんたってバナナとココナッツ、Tシャツ1枚で暮らせちゃうもんね....と、この先なにがあろうと生きて行けそうな気がしてきました。そして、
「ココナッツは栄養もあるし、どこでも生ってるからタイ人って働かなくてもいいんじゃない? いい国だわい」と短絡的な結論に至りました。
 ーーー働かなくても生命を維持できるなんて、素晴らしいと思いません?
 

 飲んだあとは二つに割って、白い果肉を食べます。これも丁度いい固さで、かんたんに果肉を剥がすことができました。でも、二つに割るのがことのほか大変な仕事でした。外皮は木のように固くてなかなか割れません。薪割りをしているようです。
 廊下でバンバン叩き、割るのに四苦八苦していたらミュークが出て来て、「こんなふうに、すこしづつ」と教えてくれました。さすが、フィリピーノですね!


 ココナッツ1個に、感激の午後でした!