訃報


 訃報が入った。
もと職場の上司で67歳だった。地方の発掘現場で作業員として採用されて以来、長い間、考古学の作図を担当して来た。同じ年代でもあり、現場の体験発掘や打ち上げなどで多くの時間を共有してきた。



 最後になったのはわたしがタイへ赴任するために送別会をしてくれたときで、歩くのが不自由なくらいで元気そうだった。闘病中であり、命に限りあるとは知っていながら、少なからず気落ちしている。


 白い頂を背になびく、経文の書かれたタルチョにのって、とおく彼方の死んだ人たちが住んでいるというアーカイブ星へ旅立った。やすらかでありますように......。