5歳で逝った君へ


          5歳で逝った君へ


       君はひとり置き去りにされ お腹をすかして逝った
       抱きしめてくれる人もなく 話すこともなく
       ひとり なにを思ったろう.......


       君の声は 誰にも届かなかった
       無人島でもないのに 誰も知らない
       どんなにかひもじかったことだろう......
 

       幼い屍は 7年もの間 汚れた部屋に放置された
       人間は弔うものではなかったか
       尊厳はどこへいったのだろう......


       君は子守唄を聴いたことがあったのか
       やさしい歌声に包まれて まあるくなって眠りにつく
       やすらかに 朝がくるまで......


       君は虹を渡っただろうか
       願わくば 虹の向こうに 君を抱きしめてくれる人がいてほしい


       もう さみしさに泣くこともなく お腹を空かせることもない 
       温かい胸に顔を埋めて まあるくなって眠ってほしい