帰国


 冷え込みの強い真冬のただ中に帰国。鼻のてっぺんが冷たく、凛とした空気が心地良い。
腰はフィリピンの先生が買って来てくれたマッサージ用のミントオイルがばっちり効き、3日目に歩くことができた。いまは痛みも和らいで快調。これがなかったらどうなったことやら、です。 魔法のオイルと呼んでいる。

 
 わたしは個人レッスンの5人がみないい先生に当たったので毎日が楽しかった。
日本で英語の勉強をしているとストレスが溜まるが、英語の環境下に身を置くと「ヤルしかない!」状態になるのがいいかもね。カナダの語学学校で2ヶ月学んだ事があるが、個人レッスンは自分のレベルに合わせられるのがいいと思う。逆に目的意識を持たないとただの時間つぶしにしかならないと思うけれど。


 わたしの英語のレベルはというと、スピーキングだけが80%で、他のスキルは20%〜30%くらいなもの。最悪なのはスペリングで、まともに書けたためしがない。グラマーは三単現「S」のルールをいまだに間違えている。リスニングなんぞ、憶測してでたらめなことを答えていた。
 リスニングのクループレッスンで、シリアスなエミー先生に質問されて、回答の言葉が出てこないのでぐだぐだ説明していると、「薮こぎしないで、一言で言なさい!」と言われ、そんなことが出来たら苦労しないわさ、とうらめしかった。
 エミー先生にエベレストの費用をシェアした友人が春にネパールで疲労死した話をしたら、「もう、山なんか行かないで、孫の世話でもしていなさい!」と言われてしまった。
 そうさね〜、そんな暮らしができないから、いまここにいるんだよなあ、と妙に納得。外に出ると知らない自分に遭遇することにもなるわね。


 まあ、いろいろありで面白かった。へんなオジン二人がいて自分の学校のように仕切っていたが、フィリピン人の先生達の嫌われ者だと分かってから、そりゃそうだろうと拘わらないようにした。
 そのお二人さんがフィリピン人の先生たちをお別れパーティにご招待したらしいが、みな口を揃えて行かないと言っていた。ほう〜らね、どこにいても余されもんじゃね、きっと。金があればいいってもんでもないわね。願わくば、素敵に歳を重ねたいもんだわ。



 いろんな特技をもった若者ものたちと出会い新鮮だった。韓国人や中国人、日本人の若者達に「期待してるよ〜、君の将来に!」とハッパをかけて別れた。