帰国

 今日のナイトバスでバンコクへ向う。
この3年間を元気に働けて、ネパールの山にも3度足を運んだのだから、まあ良しとすべきだろう。
 日本語教師を目指し大学へ入学したのも、結果としては良かったと思う。資格が役に立ったと言う意味でだけど。
 しかし、この仕事がこんなにも準備に時間が取られるとは思っていなかった。度々、寝ても夢の中で授業をしていた。いろいろとアイデアを考えて試したはずなのに、満足のいく授業はひとつもなかった。



 セミナーで出合った日本語教師の先輩に、ぶしつけに授業のアドバイスを求め参考にした。手作り教科書を頂いて、それを使い生徒の反応をみたり、机の配置を替えたり、自分の授業を録音して授業の進行と発音を確かめたりした。
 けっこう真面目に取り組んだのだけれど、学校の方針と生徒のやる気のなさに落ち込むことが多かった。そんななかで先輩教師の助言に救われた。
「そこで3年間教師をしたことは、どこででも通用しますよ」
「そうですか!」と目の前が明るくなった。そうあってほしい、と切に思う。



 1年目は先輩をトレースし、2年目は自分の内省をトレースした。3年目にして、ようやく2年間の成果が数人の生徒に現れた。そのうちの一人は、日本語コンテストに合格し、この10月に札幌の高校に親善大使としてやってくる。
 「教育」は教え育むと書く。教えるだけじゃなく、育てなきゃならんのだ。葉っぱでも人間でも育つのには時間がかかるものだ。秋の再会を楽しみにしている。




 友達になった市場のおばあちゃん夫婦にお別れに行ったら、カオニャオを山ほど(2キロ×5袋)持たされた。どうしょう?持って帰れない.....。 嬉しいのと寂しいのとで泣き笑いになってしまった。また、会えるね、きっと!