雇用契約違反


 契約書では3月の給料は全額支給されることになっているが、突然支払わないと言う。
昨年の春に契約した際、3月は中旬に帰国するがそれでも支払ってくれるのかと、あれほど念を押して確認したのにだ。なんという校長だ。
 まったく頭にきて、外国人担当のチュンポーン先生に文句を言ったが、いつも校長の所為にして、自分は涼しい顔をしている。
「わたしは生徒たちのために、無料のプライベートレッスンをし、文房具のプレゼントや寿司やたこ焼き、お好み焼きを作り、生徒に日本文化の紹介をして3年間も努力したのだから、最後くらい契約通りに給料を支払ってください」と突っぱねた。
 すると、「俺はいつも君の味方だ」と言うので「当然です!もう一度、交渉し直してください」と同意しなかった。彼は、口先人間なので全く信用できない。なにかいい考えはないものか…。
 
 今日、昼ごはんを食べていたらチュンポーン先生がやって来たので、わたしの給料はどうなったか、と尋ねた。
「半分支払う」とのことだ。「だめです、全額にしてください。でなければ、替わりの日本語教師はここに来ません」と勝手に断言した。なんとも役にたたないやつだ。こうなったら直談判だ。

 その足で、副校長に挨拶に行った。彼は穏やかな人柄でこの学校で一番信用していた人物だ。3年間のお礼を述べてから、契約の経緯を述べ、校長と話し合ってくれるように穏やかにお願いした。
 やるべきことはすべてやった。さて、どうなるだろう?




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