つみきのいえ


 一年生の「かぞく」の授業に「つみきのいえ」のアニメーションを取り入れた。
 これは2008年に発表された加藤久仁生監督による作品で、2009年に第81回アカデミー賞において短編アニメ映画賞を受賞した。
 作品は、水に沈むゆく町にある、積み木を積み上げたような家で、ひとりで暮らす老人を通して人生を象徴的に描いている。生徒の間を歩きながら、こんなふうにシンプルに生きることができたらよかったのに、とふと思う。
 幼なじみの二人が結婚して、慎ましく暮らして伴侶を看取る。おじいさんはパイプを拾いに潜ったことから思い出を遡る。わたしの人生といえば、幼なじみと結婚までは同じだか、どこで方向が狂ったのか、定年後にタイで日本語教師なんぞしている....。
 まっ、これもいっか、これも!と、かわいい生徒に寿司を作っておおいに満足している、あらららら、の人生。



 この作品は昨年も使ったが、ナレーションがゆっくりなのでことばが聴き取り易い。おじいさんとおばあさんの単語が繰り返しでてくるので、最初に聞き逃してもだいじょうぶ。良い作品は国を越えて感動を与えてくれる。

 「さあ、『つみきのいえ』には、なんにんすんでいましたか」と質問して、みんなに積み木の家の絵を描いてもらった。
 みんな素敵な絵を描いてくれましたよ。いつも生徒たちが感動を与えてくれる。