かるた大会

 
 お正月なので、一年生は「犬棒かるた大会」をした。
「いぬもあるけばぼうにあたる」は、福笑いとともに子供のころお正月にしていた。それを思い出してかるたを作ったのだ。


 始めに五十音の復習をして、床にかるたを並べ、そのまわりを取り囲んで座る。
「はい、読んだら、おなじ文字をとってね」とお手本をみせる。
 そばにひらがなの五十音表をおいて見比べている賢い生徒がいるなかで、行き当たりばったり、手当たり次第お手つきをする生徒もいて、てんやわんやだ。
 ひらがなを全部憶えている生徒は3名しかいない。読み札を読み上げただけでは最初の文字を聞き散れないので、「いぬ の い 」というように繰り返す。
 みんなの可愛い手がいっせいに一枚の札に重なる。「はなせ!、どけなさい!」と大騒ぎだ。もう、エキサイトして絵札を破ってしまった。「OK, OK ! まいぺんらい かあ」