忍耐力

 言葉を教えることは忍耐力がいる。学ぶ方も根気がいるだろう。
根気など持ち合わせていないタイの生徒に教えていると、自分の時間を浪費していると思うこともしばしば…。
 やけくそで、タイには「根気」と「努力」という言葉がないかもしれない、と辞書を引いてみたら、両方ありましたね。「努力」は「くわーむ、ぱやーやーむ」という。ふう〜ん、あるじゃん。


 日本語コンテストのため、放課後に特別レッスンをしている。
無断欠席ばかりしている生徒に辞書の「努力」を指差して「You have to keep this word. Can you do that?」と聞いたら、「忙しくて勉強できないので試験は受けない」と4名のうちの2名の生徒が辞めた。
 残ったのはチームとソンポーンだが、ソンポーンはいつも寝てしまうので勉強にならないし、チームは後期の授業が始まってからわたしを避けるようになった。毎日ひとりで勉強するのが苦痛らしい。
 それで、ほめ殺し作戦に出た。「チーム、すごいね、げんまあ!日本語がわかるようになったね。きっと、日本に行けるよ、チームならできるよ!You can do it !」と日本語、タイ語と英語のちゃんぽんで、ことあるごとに誉めた。


 丁度、バンコクで「北海道フェア」の手伝いをしたので、北海道の観光パンフレットを集めてきた。それを見せながら「北海道で、なにをしたいですか」と聞いたら「スキーがしたいです」とのこと。パンフレットにはニセコのスキー場が載っている。「スキーをしたことがありますか」と聞くと「あります」とのこと。びっくりして、「どこで?(てーない、かあ)in Thailand?」と聞いた。すると、「スモール、スノーハウス」とのこと。タイのどこかに室内スキー場があるのかな?
 とにかく、パンフレットのお陰で興味が北海道に移って、ひとりでも勉強するそうだ。やれやれ。