すてきなカップル

 タイではカップルって男と女だけじゃない。
男同士のカップル、女同士のカップルは普通だけど、ややこしいのは女に変身した男と男性のカップルと、男だけど中身は女の男性と男性のカップル。女性だと思ってつき合ったら男性だったってことも良く聞くお話。
 それと、外国人との年齢差カップル。もう、20歳、30歳の年齢差なんてあたりまえ。中には40歳年下のタイ人を奥さんにしている。タイの女性にとって結婚イコール永久就職で、年金を貰い始めた欧米人や日本人がターゲットにされる。相手が亡くなっても遺族年金が入るから、30歳の女性でも結婚相手に年金受給者を探すそうな。
 お金の亡者みたいだけど、だれも後ろ指さす人もいないし、あっけらかんとしているので、いまではなんとも思わなくなった。


実例その一
 日本で会社を経営していた70代の男性は、会社が倒産し奥さんも亡くなってしまい路頭に迷っていたら、タイレストランで60代のタイ人の女性とのお見合いを勧められた。18万の年金で都会でのアパート暮らしは大変なので、スーツケース1個持ってタイに婿入りしたそう。すると、結婚相手の女性の息子が空港に迎えに来て夜通し車で走り、朝、家の前に到着して、あまりにも立派な家なので驚いたそうな。
 わたしがおじゃましたら、門構えもたいそう立派で何匹も室内犬を飼っている。庭には茶室があって、まるで別荘のようだ。
「すごい、暮らしねぇ」とびっくりした。奥さんもさばさばとして、とても楽しい人だ。
「でも、コミュニケーションはどうしているの?」と聞くと、
「出来てない、辞書だけ」とのこと。辞書にはたくさんマーカーが引いてある。
「うちの奥さんには2万バーツ渡しているんだけど、お金がなくなったら機嫌が悪いよ」と言って笑う。次の年金支給日まで渡さないと、見えよがしに庭のハーブばかり食べているそうだ。でも、なんだか楽しそうだ。
 町の学校に古楽器を寄贈したりして、もう町の有力者だそうだ。パソコンのスカイプで日本の友人とコミュニケーション取れるし、週2回はゴルフをしているそうで、とても70代には見えない。
 こんな暮らしもいいなあ、と思いながら美味しい日本茶をいただいた。

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