教室の模様替え

 後期の高校生の目標は「話そう、日本語!」
それに合わせて机の配列を変えた。いままで生徒たちはボードを向いて教師と正対していたのを、ボードに対して横向きにした。後ろにあった大きなテーブルを前に引っぱり出して、テーブルごとのグループを作った。グループワークを多くし、生徒同士を対話させることで、多くの言葉をしゃべらせよう、という作戦だ。
 まずは、講堂からプラスチックの椅子を運んで、大きく4つのグループを作った。うるさい生徒の溜まり場だった後ろのテーブルはイベントの度に持ち出されるので、持ち出し防止にテーブルのまわりに赤のガムテープを貼った。これなら持ち出されてもすぐにわかる。テーブルの汚れを落とし、青いプラスチックの椅子を並べると教室は明るくなった。ついでに窓ガラスも磨いて、汚いゴミ箱もタワシでゴシゴシ洗った。ボロいベニヤ板の独りがけ椅子は後ろに並べた。
 教室のコーナーに日本庭園も作ろうと見取り図を描いた。壁に富士山の写真を貼り、七夕の笹を取り払い、七夕竹をみごとな桜の木に変身させた。ピンクのナプキンを重ねて桜の花びらを作りひとつひとつを針金で結んだのだ。 
 桜の木の周りにサンドガーデンを作りたいのだけど、どこで砂が手に入るのかわからない。レンガと竹もほしいところだ、と夢は膨らんでゆく。
 日曜日の今日、どこでレンガや砂を売っているのだろう、とサンデーマーケットやら、めぼしいところをうろうろしていたが見当たらない。小砂利でもいいんだけどなあ、と恨めしく道端の小石を見ている。あしたは学校の物置を覗いてみよう。なんだか目つきがあやしくなってきたかも?