青田茂れる

 地方都市のコンケーンからは、わたしの住むカウオンの隣村、ブッカオ(山)までしか公共機関はないので、バイクタクシーかトクトク(バイクを改造した三輪車)へ乗り変えなければならない。そこからカウオンまでおよそ20Km、30分くらいかかる。おじさんが250Bというところを200Bに値切って、学校のあるカウオンに向った。
 途中から雨がばらばらと落ちて来て、はらはらする。豪雨に直撃されたら、ひとたまりもなくずぶ濡れになるだろう。連日の雨で緑したたるような青田が美しい。本当になにもない田舎だ。けれども、田園風景を見ていると不思議と心が落ち着く。
 とんでもないタイの田舎で日本語教師をしている。風に吹かれながら気分は赤毛のアン、否サウンドオブミュージックのマリアかな? と相も変わらず脳天気な極楽とんぼ

 危機一髪。学校に着いたとたん、どっしゃ〜と雨が降って来た。やれやれ。