ワーキングビザ

六月九日の朝、ワーキングビザ取得のため、カウオンから車で一時間半の国境の町マクダハンへ向う。メコン川の対岸がラオスのサバナケットで、バスに乗り橋を渡り十分程でわびしい感じの町に着いた。大使館は午前十一時で終了なので急いでサムロー(タクシー)に乗る。しかし、大使館に着いたのは十一時過ぎで、目の前で門は閉ざされてしまった。新任教師三人は、「どうしょうか?」と顔を見合わせた。明日のために近くのゲストハウスに泊まろうと言う事になって、サムローの運転手に一つ向うの通りを挟んだゲストハウスに降ろしてもらった。
同じ目的で大使館に向うフィリピンの女性も一緒に泊まることになり、ダブルベットが二つの部屋が600バーツで、四人でシェアすると一人150バーツ(450円)なので、それに決まった。きれいとは言えないが、清潔なシーツとタオルがあったので、まあ良しとすべし。
ゲストハウスはメコン川沿いにあり、ゆったりと黄土色の水が流れる。川面に釣り船が浮かび、対岸のカウオンを間近に望む。川沿いに繁る樹木は赤や黄の花をまとい伸びやかに枝を広げる。その下にテーブルを並べただけのレストランがあり、屋台では焼き魚や焼き鳥、アヒルのヒナ入りゆで卵を売っている。タイのノーンカーイで、鶏のヒナ入りのゆで卵を売っていたが、ラオスではアヒルだ。フィリピンでもポピラーだということでヒナ入りゆで卵を3個買った。美味しいからトライして見なさいと勧めるが、グロテスクなので食べられなかった。