風の吹くまま

えぃ!と指を立て、風はどっちから吹いている?とばかりに物事を選択している。
優柔不断であれこれと迷う。いくか、いかないか? 迷ったら行くが定義。
当然のごとく、逆風、逆波の厳しい人生航路である。しかし、山や旅に関しては、特別な赤い絨毯の上を歩いていた気がする。人との出会いから道が拓け、世界の山へと繋がっていった。不思議なくらい山が向こうからやってきた。そのチャンスを掴むかどうか、ただ本能に従った。山にエネルギーを燃焼させたこの十年、ちょっとクレィジーなサプライズ旅をお届けしたいと思っている。
本に載せる写真を選択しながら、こんな美しい世界をみることができたのだと思った。何かに憑かれたように白い山に焦がれていた。あのときのパッシションはきらきらと輝く結晶のように、いまも心に残っている。