シルクスクリーンの原画


 来週、26日のオペラ公演が追い込みに入って、背景班は8時、9時まで作業しているので体力的に厳しくなってきて、何が何だかわからない状態。絵なんか描く時間など何処の隙間にもなくて、もう大学は前期で辞めようか?と憂鬱。そもそも、油彩コースのカリキュラムが週に6時間しかないのだ。 ーーー絵が描けない美術大学ってどうよ? と思ってしまう。


 実技授業以外に救いはないね、とぶつくさ言いながら、朝4時から追加のレポートを書き、シルクスクリーンの下絵を描いていた。人生も終盤に入ってこんな生活? これって、やりたかったこと? と迷っている。
 

 スペイン、マドリッドの大学に勤めるエレーナのところに滞在していたとき、毎朝近くのカフェでカプチーノを飲んでいた。
いつもお向かいのアパートの窓から通りを眺めているご婦人がいて、猫みたい、と眺めていた。もし、わたしがタイでの日本語教師を辞めて日本に戻ったとしたら、あんな暮らしになるんだろうか、退屈な人生はつまらんと思った。


 けど、それも悪くないかな? バンクーバーの高層アパートに住むリタイヤした友人ご夫婦は、向かいのアパートの屋根で子育て中のカモメをみるのが日課だと言っていたし、今春、大学をリタイヤした恩師は庭に来るスズメたちの砂浴びを見るのが楽しいという。
 ーーーいつもあたふたしているわたしの人生は手直しが必要かもね。